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「肥満=メタボ」ではない!意外と知らないメタボリックシンドローム

2021.11.11
メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームって、聞いたことはあるけれど

一昔前、「メタボ(メタボリックシンドロームの略称)」という言葉が流行語大賞のトップ10に入るなど、誰もが耳にしたことのある言葉になりました。
とはいえ、言葉ばかりが有名になって、なんとなく「肥満」のことだと解釈していませんか?

じつは、「メタボリックシンドローム」は単に「肥満」のことではありません。

「メタボリックシンドローム」の診断基準

※出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」

メタボリックシンドロームとは、「内臓脂肪の蓄積(ウエスト周囲径)」に加えて、「脂質異常・高血糖・高血圧」のいずれか2つ以上該当した状態のことを指します。

この状態の怖いところは、動脈硬化が促進され、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険性が高まる、ということです。
詳しい診断基準を紹介しますので、ご自身の状態をチェックしてみてくださいね。

■必須項目:ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)

・男性:85cm以上
・女性:90cm以上

<正しい測り方>
・空腹時に測ります。朝起きてすぐや、寝る前などに測りましょう。
・おへその高さの腹囲を計ります。洋服を選ぶときのウエストサイズとは異なるので注意してください。
・メジャーを無理にひっぱったり、お腹をへこませたりはせず、自然な状態の腹囲を測りましょう。

■選択項目:3項目のうち2項目以上

①脂質異常
【中性脂肪値が 150mg/dl以上】かつ・または【HDLコレステロールが40mg/dL以下】

②血圧
【収縮期(最大)血圧が130mmHgより高い】かつ・または【拡張期(最小)血圧が85mmHgより高い】

③血糖
【空腹時高血糖が110mg/dl以上】

内臓脂肪は意外と減らしやすい

内臓脂肪は、消費するエネルギーよりも食事から摂るエネルギーが多くなると蓄積されます。
つまり、「食事から摂るエネルギーを減らして」「運動で消費すれば」ほぼ確実に中性脂肪値も減らせます。

食事のポイント

ここからは、食生活改善のポイントを詳しく紹介します。

■夕食は炭水化物を控えめに

夕食に炭水化物を摂りすぎると、寝るまでに消費できずにそのまま身についてしまいます。
がっつり食べるのはお昼までにして、夕食時は白米・麺類・パンなどの炭水化物は控えめにしましょう。

■炭水化物を摂る時は食物繊維も一緒に摂る

糖質は体を動かすエネルギーであり、炭水化物に多く含まれています。
炭水化物は「糖質」と「食物繊維」で構成されていますが、パンやお菓子などはほぼ糖質。
食べすぎると血糖値の上昇や肥満の原因になってしまいます。

食物繊維は、腸内の掃除をして体に不要なものの排出を助けるほか、食後の血糖値の急上昇も抑えることができます。
糖質をとるときは、食物繊維もとれる食品であるかどうかを意識してみましょう。
今はコンビニにも食物繊維が沢山入った食べ物が売っているので、買う時にチェックしてみましょう。

■脂質を減らしてたんぱく質を増やす

たんぱく質は、筋肉を維持し、基礎代謝の高い体づくりをするために欠かせない栄養です。
たんぱく質が多い食材はたくさんありますが、肉類でたんぱく質を摂取すると、脂質も同時にとってしまうことが多いです。

内臓脂肪を溜めないためには、脂質を減らしつつ、たんぱく質を増やすことがポイント。

ササミなど脂質の少ないお肉を選ぶ・大豆製品から摂るなど、脂質を摂らないように気を付けてくださいね。
加えて、プロテインを活用するのもおすすめです。

■よく噛んでゆっくり食べる

よく噛んで食べることで、脳の満腹中枢が刺激され、少量でも満足感を得られます。
さらに、よく噛むことで交感神経が刺激され、内臓脂肪が落ちやすい状態に。

満腹中枢が刺激されるまでには約15分かかるとされているため、最低でも15分以上かけて食べましょう。
食材を大きめにカットするのも、満足感が得られる&よく噛むようになるのでおすすめです。

■アルコールを控える

アルコールは体内で吸収されにくい性質をもっています。
さらに、摂取すると体がアルコールの分解を優先して脂肪が分解されにくくなる上に、食欲を増進させる働きもあります。
毎日晩酌をする習慣がある人は要注意です。

運動のポイント

ここからは、運動時のポイントを詳しく紹介します。

■効率よく減らすなら有酸素運動

内臓脂肪を落とすためには、ウォーキングやジョギング、水泳などの「有酸素運動」がおすすめです。
有酸素運動では、初めは血中の脂肪が多く使われますが、20分以上続けた頃から内臓脂肪が使われるとされています。

内臓脂肪を減らすためには、毎日20分以上、早足でウォーキングしたり歩く時間を増やしたりして、体を積極的に動かしましょう。

■有酸素運動の前に筋トレを取り入れる

有酸素運動に加えて筋トレも行うと、基礎代謝量が増え、内臓脂肪が落ちやすくなります。

おすすめは、有酸素運動の前に筋トレをすること。
筋トレを行った後は代謝が高い状態になっているため、有酸素運動がより効果的になります。
有酸素運動を行う前に10分ほど筋トレを行い、脂肪を燃やしやすい状態にした後で、ウォーキングやジョギングを行いましょう。

■頻度は週3~5回、1回あたり30~60分を目標に

運動で内臓脂肪を落とすためには、運動を習慣化して継続することが何よりも大切です。
頻度は週3~5回、有酸素運動と筋トレを合わせて、1回あたり30~60分を目指しましょう

ただし、最初から運動の負荷をかけすぎると挫折する原因になってしまいます。
まずは少し息が弾む程度で45~60分続けられるようにして、慣れてきたら少しずつ負荷を上げていきましょう。

食事と運動が健康の土台

どんな生活習慣病にも共通するのは、「バランスの良い食事」と「適度な運動」が大切、ということ。

暴飲暴食などの悪い習慣を断ち切り、食事と運動に気を付けていればメタボリックシンドロームは防げます。
まずは自分でできそうなものから取り入れて、良い習慣を続けてみてくださいね。

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