「子どもの視力低下」は今や深刻な社会問題に…
文部科学省*の調べによると、
裸眼の視力が1.0未満の児童は、小学校1年生で約4人に1人、小学3年生で約3人に1人、小学6年生では約半数となっていることが分かりました。
*文部科学省「学校保健統計調査 令和3年度(速報値)」
視力低下ってどういう状態?
子どもの視力低下は、ほとんどが「近視」によるものです。
近視とは、簡単に言うと
”近くが見えて遠くが見えない”ことです。
本来は、目に入ってきた光線が網膜上に焦点を合わせることで鮮明に見えます。
しかし、近視は網膜より前で焦点を結んでいる状態です。
そのため、近くのものはよく見えますが、遠くのものははっきり見えません。
視力低下の原因
原因①
「ゲームやスマホの長時間利用によるもの」
子どもの視力低下がどんどん進んでいる理由は、やはりゲームやスマホの使用時間が長いことが挙げられます。
特に近年は新型コロナウイルスの影響で、感染対策のため外に出ず、家にいることが増えました。家にいると、どうしてもゲームやスマホばかりになりますよね。
また、学校では1人1台タブレットを使用していて、黒板も電子黒板に変わるなど、デジタル機器に向き合う時間は非常に長いです。
原因②
「遺伝によるもの」
子どもが近視になる確率は、両親とも近視でない子どもに比べて、父親もしくは母親どちらかが近視の場合は約2倍、両親ともに近視の場合は約5倍という研究報告があります。
よって、親が近視であるほど子どもも近視になりやすいのです。
近視を甘く考えてはいけない
近視は、眼鏡やコンタクトで見えるようになるため、特に問題視されていないように思えますが、実は安心できません。
子どものうちから近視であれば、将来大人になって目の病気になる可能性が高くなるんです。
たとえ最初は軽度でも、将来緑内障や網膜剥離などの、近視以外の目の病気にかかるリスクを上昇させることが、最近の疫学調査※でも明らかになりました。
特に子どもは成長期ということもあり、視力低下の進行のスピードは小学校4~5年生にかけて著しく、20代後半くらいまでみられると言われています。
なんとか少しでも視力低下のスピードを抑えるために、成長期の今、生活習慣など対策しておくことが大切なのです。
※公益社団法人 日本眼科医会「気をつけよう!子どもの近視」
目の負担を少しでも減らすために
そこで、子どもの目の負担を少しでも減らすために、そして今ある視力をなるべく維持するために大切なポイントを紹介します。
正しい姿勢で読書・勉強する
目と本・教材・デジタル機器との距離は30㎝以上離して、正しい姿勢を意識しましょう。
長時間見続けない
勉強やゲーム、スマホは長時間見続けないようにしましょう。
勉強であれば、”1時間勉強したら10分休憩する”、ゲームスマホは、”1回30分程度にする”など、時間を決めるのもオススメです。
休憩中は遠くを見て目を休ませましょう。
屋外で遊ぶ
1日2時間程度は外で遊びましょう。
米国のある研究で、両親が近視であっても、1日2時間程度外遊びをする子どもはほとんど外遊びをしない子どもに比べて、近視の発症率が3分の1以下に減っていたそうです。もちろん、日陰でもOKです☆
適切な眼鏡をつける
お子様の視力に合った眼鏡を着用しましょう。
あまり見えていないのに眼鏡をつけていないまま日々過ごすと、目の負担になります。
バランスの摂れた食事を心掛ける
目は体の大切な一部です。
栄養バランスのとれた食事が目の健康を司るとも言われています。
ちなみに目に良いものとしては、「ルテイン」や「ブルーベリー」などが有名ですね。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠をしっかりとり、目を休ませましょう。
日々目を酷使しているのに疲れがとれていないと、目が悲鳴をあげてしまいます。
以上のポイントをぜひご家庭で実践してみてください☆
「もう仕方ない」と諦めないでくださいね。
今からでも遅くありません。
もちろん、これらのポイントは子どもだけでなく大人にも当てはまります。
生きていく上で大切な目ですので、なるべく目に負担をかけない生活を、
目の健康をいたわることを意識して過ごせたら良いですね♪