ストレスとの適切な向き合い方
メンタル面以外のストレスのサイン
2018年7月28日の日経新聞に、ストレスとの適切な向き合い方が紹介されていました。
過度なストレスを我慢するうちに、倦怠感や落ち込みといった不調が現れます。
ストレス蓄積の兆しは、イライラや不安感などメンタル面にも出ますが、精神保健福祉士で産業カウンセラーの大美賀直子氏は「身体と行動に表れる、具体的な異変に注目して」と記事で述べています。
例えば不眠や食欲減退といった、不快なストレス反応を単なる疲れと侮って放置すると、病気を招きます。
行動面では「仕事や家事を普段どおりにこなせなくなっていたら危険信号」と大美賀氏は指摘しています。
不快なストレスの要因が重なると、一時的に心身の抵抗力が下がり、活動が滞りがちになりますが、体がストレスに対抗するため、いったん元気になるものの、無理は続かず、疲れ果ててうつ病などを招くそうです。
人は強いストレスを受けることで現実を見るフィルター(認知)がゆがみ、マイナス思考や自分を追い込む考え方に陥りがちになります。
心の健康に大切な“3つのCとは!?”
うつ病などの治療に使われる「認知行動療法」の第一人者で精神科医の大野裕氏は「悩みの原因ばかり追究するのではなく、どうすれば次に進めるのかをまず考えて」と助言しています。
大野氏によると、心の健康には、認知(コグニション)とコントロール感覚、コミュニケーションを表す英単語の頭文字を取った「3つのC」が重要だといっています。
Cognition(認知)
映画やストレッチなどで気分転換を図り、物の見方のバランスを取る。
Control(コントロール感覚)
睡眠を確保し、仕事や家事をいつも通りにできているか確認する。
Communication(コミュニケーション)
悩みを話す。自己解決が難しいときは専門家に相談を。
大切なのは【睡眠】と【気分転換】
健全な認知を支えるのが、睡眠と気分転換です。
睡眠は1日6時間が目安。眠れなくても、横になるだけで一定の効果が期待できます。
気分転換は好みの方法を選んで「映画や読書、ストレッチのほか、家でダラダラするだけでもよい」そうです。
ただし、飲酒は要注意です。依存症につながるおそれがあるからです。
仕事や家事などを自分の裁量で進めているという実感(コントロール感覚)を持つことも大切です。
視野が広がって考え方や行動が柔軟になり、心の状態が変わるとのことです。
身近な人に悩みを話すだけでも、ストレスはかなり軽くなります。
「体力がある人や責任感が強い人ほど『まだ大丈夫』と自分を過信しがちで、たまったストレスを放置すると、どんどん心身がむしばまれる」と大美賀氏は注意を促しています。
生きている限りストレスはつきまといますので、自分一人で抱え込まずに、日常生活で工夫しながらストレスの状態を適切に保つことが大切と記事の最後には書かれていました。