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【基礎知識】診断で引っかかった…脂質異常症って?

2021.11.12
脂質異常症

脂質異常症とは

脂質異常症とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態のことを指します。2007年に「高脂血症」から名称が改められました。

脂質異常症は、血液中に多く(または少なく)なる脂質の種類によって、3つのタイプに分類されています。

①高トリグリセライド血症

中性脂肪値(トリグリセライド)が多いタイプ

②高LDLコレステロール血症

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多いタイプ

③低HDLコレステロール血症

HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ないタイプ

なお、コレステロールは1日のうちであまり変化しませんが、中性脂肪は食事の影響を強く受け、食後数時間かけて上昇します。

発症する原因は?

脂質異常症の発症には、主に「食べ過ぎ」「運動不足」「肥満」「喫煙」「アルコールの飲みすぎ」そして「ストレス」などが関係していると言われています。
特に、お腹の中に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」の方はLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。

また、遺伝的な要因によって起こる「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。

脂質異常症の症状は?

脂質異常症は、体感するような具体的な症状がありません。では、脂質異常症の何が悪いのでしょうか。

それは、LDLコレステロールが必要以上に増えることによる「動脈硬化の進行」です。

脂質異常症の怖さは、症状が無いからこそ対応がおろそかになり、気が付かないまま動脈硬化が進行し、気付いた時にはもう手遅れ……なんてことが起きること。

健康診断などで数値がどんどん高くなっている場合は、生活習慣の見直しを行いましょう。

生活習慣見直しのポイント

標準体重を目標に

肥満傾向があれば、まずは標準体重を目標に減量しましょう。

1日の適正なエネルギー摂取量は、標準体重に身体活動量をかけて算出できます。

★標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

例)身長が160cmの場合…1.6×1.6×22=56.32kg

ふだんの食事の取り方

・ゆっくり、よく噛んでたべる
・毎日3食をできるだけ同じ時間に、バランスよく食べる
・腹八分目でやめておく
・深夜や寝る3時間前には食べない
・肉ではなく魚をできるだけ食べる
・過度なアルコールを控える
・食物繊維を意識して摂る

おやつなどの間食の取り方

・個包装に分かれた食べきりのミニサイズを買う
・あらかじめ量を決めて食べる
・お菓子を目につくところに置かない
・味わってゆっくり食べる
・清涼飲料水やスナック菓子は控える

運動

・激しい運動を急に行うと心臓や腎臓に負担がかかるため、軽い運動からどんどん強度を上げていく
・ウォーキング・ジョギング・水泳などの全身運動を行う
・ウォーキングはやや汗ばむ程度で、1日30~60分程度、少なくとも週3回は行う

放置せずに対策を!

脂質異常症だけではなく、糖尿病、高血圧、喫煙など動脈硬化を進行させる要因がいくつかある場合は、より強力な対策が必要です。
健康診断の結果を無視せずに、できることから始めていきましょう。

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